雑多①
ゴーンガール下p19
愛は競争じゃない。でも、誰よりも幸せになれないなら、一緒にいる意味がないと思う。
宝石商リチャード2 p235 [#yaca5877]
ヨーグルトキャンディーのような優しい白
オペラ座の怪人 p288
何てことを!なぜ運命に挑もうとするの?罪を隠すように、わたしが意識の奥底に隠していることを、どうして問いだそうとするの?
NONE
長い手足は、まるで海に流れ着いたヒトデのように地面にのびている。
ぼくはかぐやひめ p12
そうやって互いの歴史や性格を事細かに把握していながら、一番痛そうなところへ一撃をくれてやるのだけを快感にしているのだから友人とさえ呼ぶのは難しい。
絶交というような事態に及ばないのもそのためだった。互いの存在を気にかけているとさえ思いたくない。それにまた、傷つくのは相手のせいではなくひとえに自分の弱さゆえだとも思うのだ。
ぼくはかぐやひめp13
何にも寄りかからずにまっすぐに立っている針葉樹の冷たい凛々しさが欲しかった。
ぼくはかぐやひめ p25
事実は真夏のアスファルトのようにゆがみやすいものだから、これは馬鹿馬鹿しいことのようで結構重要なことだとひろみは思う。
ぼくはかぐやひめ p33
ただ、何が好きかでお互いをさぐり合い、部屋の匂いに馴染むかを嗅ぎ当てる。強いて言えば、それは珈琲の匂いであって断じてチョコレート・パフェであってはならないというのが共通した見解だった。
ぼくはかぐやひめ p44
要するに否定と拒絶からなる<僕>は、のびやかで透明だったけれど、虚ろに弱々しくもあった。
ぼくはかぐやひめ p51
失うべき何ものもリストには見当たらないのに、それでも失うことを恐れるのはゼロより少ない数を知った知性の弱みだとひろみは思う。
ぼくはかぐやひめ p56
そして何より、ただ美しい塑像であってくれればいいと思っている彼女が頭の中で自らの女性性について思いめぐらせていると知らされることにも。そんなことを考えるにはそれなりの理由があるものだ。
ぼくはかぐやひめ p59
愛するのなら身を賭して愛さなければならない。そうでないなら愛するふりなどすべきでない。
ぼくはかぐやひめ p90
愛するにふさわしい少年だった、今はもういないにしても。
人魚の保険 p118
絶え間なく、だが穏やかに砕ける白い波濤。海は、その背後でシルクのように滑らかに輝いている。
人魚の保険 p124
女の子は特にみな似て見えた。その全体に好意を持っていたから、人魚の集合に好意を持っていたから、僕は彼女が好きになった。その中で、つまり彼女は最大公約数みたいな女の子だった。
人魚の保険 p130
昼間は弾む鞠のように明るい彼女が、煙草をくゆらすときだけは正しくそこに退廃の香を漂わせた。
- 最終更新:2021-03-10 11:28:59